【イタリア大使館 貿易促進部、多様なイタリアバイオテクノロジー関連団体9社を紹介】

イタリア大使館貿易促進部

小間番号: B-15

イタリアのバイオテクノロジー分野は新型コロナウイルスのパンデミック期を乗り越え、2022年には関連分野の連結売上高が136億ユーロを超えた。イタリア資本のバイオテクノロジー研究開発に特化した企業の総売上高は3倍となり、国内の総売上高に占める割合は過去10年間で2倍以上に増加している。特に、2021年から2022年にかけては産業、農業、畜産などバイオエコノミーへの応用が大幅に増加。バイオテクノロジー関連の売上高のうち4分の1以上を占める。新型コロナウイルスの影響により減少傾向にあったバイオテクノロジー関連企業の数も、2022年には大・中・小規模すべての企業で増加し、合計823社となった。

BioJapanでは、イタリア大使館貿易促進部(ITA-Italian Trade Agency) が同国のバイオテクノロジー関連企業9社を紹介する。

「メイド・イン・イタリア」を届ける

イタリア大使館貿易促進部はイタリア企業や各州政府、業界団体、その他の官民関連組織と連携を取りながら、「メイド・イン・イタリア」製品およびサービスの販売力強化を目的として活動を行なっている。

今回、イタリア大使館貿易促進部が案内するバイオテクノロジー関連団体は以下の9企業・団体。関心のある事業や、イタリア展開のきっかけを作りたい企業・団体があればぜひアプローチしていただきたい。昨年は渡航規制もあり、来日した担当者が半数以下であったが、今年は出展担当者全員が来日するため、生のイタリアの声を聴く良い機会になりそうだ。

・Axxam SpA
医薬品、作物保護、動物衛生、化粧品、香料、食品・飲料などのライフサイエンス業界に、統合された初期段階の創薬サービスを提供する主要企業。細胞ベース/生化学的アッセイ開発、自社の高品質な化合物コレクション(低分子化合物・天然物ライブラリ)またはクライアント提供化合物のハイスループットスクリーニング、化合物管理、ヒット同定、ヒット検証などの専門性を強化しており、電気生理学、ハイコンテントスクリーニング、ゲノム編集、オプトジェネティクス、iPSCなどの革新的技術を有する。

・The Health & Wellbeing Clust-ER
エミリア=ロマーニャ州に拠点を置くヘルス&ウェルビーイング・クラスター協会は、地域のイノベーション・エコシステムにおける中心的存在。栄養補助食品、アニマルヘルス、バイオメディカル技術、製薬、先進療法、ビッグデータとデジタルヘルス、整形外科、神経科学、神経学という7本柱を国際化戦略の軸とし、主要な戦略的分野におけるイノベーションの触媒として投資を惹きつけ、ビジネスと研究のためのネットワーキングを推進する。

・IRBM S.p.A
低分子、ペプチド、抗体治療薬の領域での専門知識を活用して臨床前段階の創薬プログラムを加速し、創薬パイプラインの全過程にわたってサポートする。生物学と化学の両面から、包括的なソリューションと専門知識を用いて任意の治療薬に関する高度な情報を提供。開発を担った治療薬のうち市場に出回っているのは4種、臨床試験中の候補は25種類以上にものぼる。

・Istituto Romagnolo per lo Studio dei Tumori "Dino Amadori"
ディーノアマドーリ研究医療センターのTTO(テクノロジー・トランスファー・オフィス)は、研究者が自身の知的資産を社会全体のための利益に変換する手続きを支援する。具体的には、企業やコミュニティとの関係構築のほか、スポンサー付き研究やコンサルティングの機会から新たな資金援助の生成、さらに起業や知的財産(IP)に関する全範囲でのサポート提供など。自社の技術や研究成果を活用した新たな企業の設立や、知的財産のポリシーや手続きの準備・作成・更新、技術開発の促進、研究者への支援なども担う。

・NOVAMONT S.p.A.
NOVAMONTが作る「MATER-BI®」は、生分解性と堆肥化性を兼ね備えた生物由来のプラスチック製品。小売業用のプラスチック袋から、包装、ファストフード、廃棄物の分別、そして農業まで、MATER-BIは幅広い分野の各セクターでユニークかつ革新的なソリューションを提供する。

・OLON SpA
医薬品開発製造受託(CDMO)とジェネリック市場向けの医薬品有効成分(APIs)の開発および製造の世界的リーダー。世界各地に11の製造施設と7つの研究開発センターからなるグローバルネットワークをもち、製薬、バイオテクノロジー、食品、化学、バイオインダストリーの分野における企業の支援に数十年の実績がある。特に受託化学合成と微生物発酵に関しては、最高の安全性、品質、環境規準の維持を実現している。

・RISE TECHNOLOGY S.R.L.
太陽光発電、半導体、バイオメディカルデバイスの設計および製造が主力事業。マイクロ・ナノテクノロジーや材料技術における高度な専門知識と特化したスキル、先進的な生産システムのためのIndustry 4.0などが特徴で、環境、社会、経済への負の影響を最小限に抑えながら、より持続可能な世界の創造を目指す。本社はローマにあり、パドヴァに1300平方メートルの生産ユニットを、そしてカタニアにENELイノベーションハブ&ラボを構える。

・SACCO SYSTEM
食品、栄養補助食品、製薬業界向けのバイオテクノロジーの中核を担うイタリア資本の多国籍企業。栄養補助食品および医薬品分野向けの細菌の製造、研究開発に注力しており、独自の菌株と配合を活かす専門知識によって世界110か国以上で活躍。cGMP認定施設を2か所保有し、プロバイオティクス、ポストバイオティクス、次世代細菌 (偏性好気性および嫌気性株) および生菌製剤(LBPs)の開発、プロセス検証や商業生産なども担う。

・Sapienza University of Rome
1303年に設立されたローマ・サピエンツァ大学は、国際的な大学ランキングでも常に高評価を得る。人間の疾患の診断、モニタリング、治療を可能にするために最先端のデジタル技術と精巧なデータマイニングプロセスを活用する「D3 4HEALTH」や、健康、バイオ製薬、エネルギー革命、デジタル移行の分野で研究・教育などを行うイノベーション・エコシステム「ROME TECHNOPOLE」、サステナブルな農業食品生産に革命をもたらす実現技術「ONFOODS」など、イタリア国家復興・レジリエンスプランの一環として先進的なプロジェクトを複数紹介する。

取材・文:GH株式会社 島田

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