【FRONTEO、創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」で成功確度の高い仮説を提供】

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FRONTEOは2003年、米国での日本企業の訴訟対応をサポートするパイオニアとして創業。eディスカバリ(電子証拠開示)のためにレビューを解析するAIエンジン「KIBIT」を開発した。KIBITをライフサイエンス分野に応用したのが、仮説生成に特化した創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」だ。標的分子の発見はもちろん、疾患メカニズム、患者情報、安全性情報、フィジビリティさらに競合品開発状況を加味して作成した「仮説」を顧客に提供している。

わずか10分で疾患に関わる遺伝子ネットワークを作成

AIと創薬に精通した研究者を集めて解析体制を強化し、独自の解析手法の特許出願が完了したことを受け、2023年7月12日に「Drug Discovery AI Factory」の本格的なサービス提供を開始。現時点で年間100以上もの仮説生成能力があり、今後も顧客のニーズに応じて体制を強化していくという。
創薬業界、特に標的探索の領域ではAIの活用があまり進んでいないのが現状だ。標的探索サービス会社は海外にもあるものの、疾患メカニズム等まで解析して仮説生成を行える会社はまだないという。FRONTEOでは、AIと創薬に精通した創薬研究者が遺伝子ネットワークや発見型概念検索を用いながら、独自の解析手法をもって確度の高い仮説生成を行う。
「Drug Discovery AI Factory」では、疾患名やテーマを独自開発のAIアプリケーションに入力すると、わずか10分ほどで論文や医療情報を解析し、分析対象に関連する遺伝子のネットワークを表示する。標的探索はもちろん、ドラッグリポジショニングなど、ニーズに応じて解析可能である。

Drug Discovery AI Factoryの3つの特徴

RONTEOの担当者は、「自社開発AIが予測した、まだ疾患関連性について直接論文での報告のない、新規性の高い標的を発見できること、さらにその中からAIと創薬に精通した研究者が成功確度の高いものだけを精査して提案できることが弊社の強みだ」と述べる。
「Drug Discovery AI Factory」の特徴は、大きく3つある。

・標的分子や適応疾患の候補リストだけでなく仮説も提供
一般的なAI創薬では標的分子のリストのみが提供されるので、次のステップに向けて顧客側で仮説を組み立てる必要がある。一方「Drug Discovery AI Factory」では標的分子の探索に加えて、疾患メカニズム、患者情報、安全性、フィジビリティまで含めて仮説生成を行う。

・未報告だが疾患関連性の高い標的分子や適応疾患の候補も発見
「KIBIT」がPubMedにある3000万報から論文を読み込み、直接的な記載のない情報も含めて予測するため、新規性の高い候補を提案可能。製薬会社側が論文で報告されていない未知の情報を求めている場合でも、疾患関連性の高い候補を予測して提供する。

・創薬研究者が独自の解析手法で創薬成功確度の高いものを抽出し提案
疾患に関する遺伝子ネットワークには約1,000の標的分子があり、「Drug Discovery AI Factory」の研究者はその中から独自の解析レシピを使って評価・検証し、確度の高いものを抽出して選択する。AIと創薬の両方に精通した研究者が複数在籍していることが、他社にはない強みとなっている。

幅広いモダリティに対応可能かつ確度の高い解析手法

「Drug Discovery AI Factory」では、例えば、新規性の高い標的分子を選択し、その疾患メカニズムなどの仮説を作成する。顧客はそれをもとに、遺伝子治療薬や低分子医薬品、抗体薬などさまざまなモダリティの中から最適なものを選択できる。
幅広いモダリティに応用可能な解析手法であることはもちろん、AIと創薬に精通した研究者が抽出した仮説の確度の高さにも注目したい。ある実績では、論文に直接記載はないが疾患関連性の高い標的分子20を選択し提案。その仮説に従って顧客が実施したin vitroの試験では5つに効果が認められ、さらに現時点ではin vivoで1つが成功しているという。
「Drug Discovery AI Factory」には、モダリティからの適応症探索やSuppressor Mutation Gene(サプレッサー・ミューテーション・ジーン)の探索など、さまざまな活用法がある。新たな疾患領域の立ち上げや社内パイプラインの強化、適応症の早期拡大、既存モダリティの活用などに投資を考えている製薬会社をサポートする。国内外のグローバル製薬会社はもちろんのこと、バイオテック、スタートアップ企業にも興味を持ってもらいたいとのこと。
10月11日にはExecutive Officerでありアルゴリズムを開発した豊柴博義氏がスポンサーセミナーに登壇。「仮説生成に特化したAI創薬研究支援ソリューション—機能喪失型変異に起因した疾患に対する新たな標的探索法の紹介—」と題し、Suppressor Mutation Geneの探索法をはじめ、創薬研究の効率化・加速化・成功確率向上の支援について紹介する。

取材・文:GH株式会社 島田

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