【Cytiva、日本のバイオ医薬品産業の飛躍的成長に向けて解決すべき課題を提示】

Cytiva

Cytivaは10月12日(木)10時より、「死の谷を越えるためのソリューション~日本のバイオ医薬品産業の飛躍に向け、私たちはどのように貢献できるか?~」と題したスポンサーセミナーを開催する。本セミナーでは、Cytiva代表取締役のペレ・ステファン氏と、ベンチャーキャピタルのGold Nest CapitalならびにGinward Japan株式会社の日本法人代表取締役の湯本史明氏、そして中外製薬株式会社 顧問ならびに(一財)バイオインダストリー協会 運営議長の久保庭均氏が登壇する。
近年、日本の創薬分野にもスタートアップ企業は増加傾向にあるが、世界全体を見渡せば、日本の中でイノベーションに結び付いたケースは少ない。COVID-19パンデミックを経て、バイオベンチャーはイノベーションのドライバーとしての存在感を世界に示した。日本の創薬エコシステムの橋渡しのステージにある「死の谷」を乗り越え、バイオベンチャーがより多くのイノベーションを起こすためには何が必要なのか。そのカギは「コラボレーションである」とペレ氏はいう。

イノベーションを加速するために。バイオ医薬品業界に残る課題

Cytivaは、世界のバイオ医薬品業界の実情についての調査を行い、「グローバルバイオファーマレジリエンス指数」として数値化、レポートとして公表している。2021年からスタートしたこの事業では、バイオファーマ業界における5つの柱(サプライチェーンのレジリエンス、人材の確保、研究開発エコシステム、製造のアジリティ、政府の政策と規制)の機能状況を明らかにした。
2022年には柱の一つである「政府の政策・規制」についてさらに深く掘り下げ、そして2023年には、世界におけるバイオ医薬品業界の過去2年間の発展の状況と、そこから見えてきた「課題」、まだCOVID-19 パンデミックを乗り越え、創薬・バイオ医薬品の分野では、世界共通ともいえる課題が浮き彫りになったが、日本はより厳しい状況にあると見ている。
新型コロナウイルスワクチン開発において日本は世界に後れを取ったが、政府イニシアティブによりバイオ医薬品産業のインフラが整備されつつある。その中でまた新たな課題が見出されてきているが、それらを解決していくことで、日本発イノベーションを加速できる可能性があると、ペレ氏は考えている。そして、政府を含めて、すべての業界関係者は課題の解決に向けて共に取り組むべきだと力説する。「日本にとってバイオ医薬品業界が強くなることは、国民の健康を守るだけではなく、経済を大きく成長させる効果もある」(ペレ氏)

創薬ベンチャー主体のイノベーションを支えるコラボレーション

近年、抗体医薬品をはじめ細胞・遺伝子治療薬品など、新しい創薬モダリティを活用したバイオ医薬品が台頭し、世界では多くのイノベーションが起きている。その中で、日本は高水準の医療レベルを維持しているが、使われるバイオ医薬品の多くを輸入に依存している。
COVID-19パンデミックのような有事においては、輸入に依存したサプライチェーンにはリスクがあり、日本国民を守るために国内でもバイオ医薬品を開発・製造し、国民に提供できる体制の構築が望まれる。そのためには、バイオ医薬品を多く輩出する欧米でみられるように、アカデミアで発見されたシーズを、主に創薬ベンチャーを主役としたエコシステムで育成され、製薬企業で製品化する道筋をつくり出す必要がある。そのイノベーションを引き起こすのが、コラボレーションだ。
「コラボレーション」という言葉にはいろいろな捉え方があるが、バイオ医薬品業界で特に必要となるのは、人材の確保や育成、情報やノウハウの共有など、組織の枠を超えたコラボレーションである。日本は比較的ネットワークが強い国ではあるが、創薬イノベーションにおいてはコラボレーションが上手く機能していない可能性があると、ペレ氏は言う。
現在発展を続けているバイオ医薬品はモダリティもさまざまであり、研究的要素が強い。未だ製品化されていないシーズに対し、治験を経て製品化し上市するまでには、多くの人たちとの関係性を築き、オープンにできる部分は情報を共有することが重要であると、ペレ氏は述べる。
ベンチャー企業にとって資金調達は最優先の課題である。多くの資金を継続的に調達するために、ベンチャー企業は市場価値を上げ続けていかないといけない。そのためにも、ベンチャー企業の立ち上げではどのような人物がリーダーシップチームに必要か。開発における課題を解決するには企業内外のどのような人物と協力するのか。上市に向けて当局とどう対話していくのか。そしてその間の研究開発費をどこから捻出するのか。ベンチャーキャピタルを中心として、製薬会社や技術メーカーを巻き込んだコラボレーションがカギとなる。
スポンサーセミナーでは、イノベーションを加速させるためバイオ医薬品業界に必要とされるコラボレーションの姿、創薬ベンチャー企業に求められる人材組成等について解説しながら、ディスカッションを行う。スタートアップ企業はもちろんのこと、製薬企業、ベンチャーキャピタル、アカデミアの研究者にも参加いただき、コラボレーションを通じたイノベーションが始まるきっかけとしたい。

取材・文:GH株式会社 島田

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