【AGC Biologics、日欧米に拠点を展開し盛んな技術交流を通じて、海外と同品質のバイオ医薬品の受託製造を実現】

AGCBIO

小間番号: B-1

AGC株式会社はガラス関連産業をコア事業としながら複数の領域に進出しており、特に近年はライフサイエンス事業に注力している。2016年から2017年にかけて海外の拠点を買収したことを皮切りに、2018年にはAGC Biologicsのブランド名を立ち上げてCDMOの受託ビジネスを加速。抗体医薬品、ウイルスベクター、遺伝子・細胞治療関連のプロジェクトにおいてさまざまな製薬会社やバイオテック企業のパートナーとして選ばれている。

AGC Biologicsは日欧米に拠点を置き、幅広いモダリティに対応可能

現在、AGC Biologicsは世界に7拠点を有し、原薬の製造受託をしたプロジェクトは175以上にも上る。グローバルCDMOとして設備や人員を拡張しており、動物細胞や微生物、ウイルスベクター、プラスミドDNA、遺伝子・細胞治療など幅広いモダリティにおいて商用品の製造実績がある。
今は抗体関連のプロジェクトの割合が大きいものの、今後市場の拡大が予測されている遺伝子・細胞治療領域においても、M&Aを含めて積極的に設備投資を行っている。顧客の需要に応えるために市場の伸び具合を見ながら先回りする形で、すでに設備投資や拡張を進めているという。
アメリカには本社のあるシアトルを含めてロングモントとボルダーに3拠点、ヨーロッパはミラノ、ハイデルベルク、コペンハーゲンに3拠点を有する。日本においては現在、千葉サイトにおいて動物細胞および微生物関連を受託している。CDMOの技術的な知見を海外の拠点から導入しており、日本の顧客はもちろん海外の顧客にも幅広く利用され、高い評価を得ている。
なお、BioJapanの期間中の10月11日には、ヨコハマ グランド インターコンチネンタルホテルの一室で千葉サイトのバーチャル工場見学ができるイベントも開催予定とのこと。千葉の製造現場をリードする技術メンバーや開発メンバーも参加し、360°観察できる動画を使って製造能力やサービスについて詳しく紹介する。

海外サイトとの人材交流や技術交流により、海外と同じクオリティの受託製造が実現

AGC Biologicは製造設備への投資にも力を入れている。例えば、コペンハーゲンには現在2000リットルバイオリアクターが6基あり、2024年に新たに8基を導入予定。ボルダーには2万リットルの設備が2基あり、今後増設することを検討中だ。
日本においても、遺伝子・細胞治療関連の商用品の実績をもつミラノから技術・経験を移管する形で、新たに横浜に拠点を増やす計画もある。横浜サイトでは顧客のニーズに応じて、がんを含む様々な疾患の治療薬やワクチン用のmRNAにも対応できる製造体制を検討中という。
過去には実際に、ロングモントサイトの立ち上げにあたってミラノサイトがもっていたウイルスベクターや遺伝子・細胞治療の技術・経験を移管したこともある。2018年以降は、FDAやEMAなど欧米の当局による査察の実績がある技術メンバーが来日し技術交流をする取り組みも続いている。グローバル拠点間の盛んな技術交流も、AGC Biologicsの飛躍的な成長を支えていると言えるだろう。
海外と同等のクオリティでの体制が整っているCDMOは、国内にはまだ少ない。海外サイトとの技術交流や海外の技術実績を移管する仕組みについて、担当者は「それこそがAGCの強みであり、日本の顧客にとっての差別化ポイントでもある」と述べる。

プレゼンテーションスペースや主催者セミナー、千葉サイトのバーチャル工場見学にも注目

今回のBioJapan 2023では、ロングモントでプロセス開発および技術を統括している遺伝子・細胞治療の開発担当者Patricia Bettinger氏が来日。この領域を牽引するアメリカにおいて顧客と直接やり取りをしている担当者が、AGC Biologicsが提供する遺伝子・細胞治療サービスについて詳しく紹介することは、日本の製薬会社やスタートアップ企業にとって非常に有益な情報になるだろう。
さらに、10月12日にはAGC Inc. ライフサイエンスカンパニーの村田博氏が、CDMO事業における人財の獲得と育成について登壇する。10月13日(金)にはAGC BiologicsのKasper Møller氏が登壇し、コロナ禍におけるサプライチェーンの課題や治験薬のプロジェクトをいかに解決できたか、千葉と横浜の製造能力などを含めて紹介するセッションも予定されている。
BioJapan 2023への意気込みとして、担当者は「幅広いモダリティの技術を日欧米3極で展開していることをアピールしたい。千葉サイトのバーチャル工場見学にもぜひ足を運んでいただけたら」と話す。抗体や遺伝子・細胞治療などCDMO委託に興味がある大手製薬会社はもちろん、新たなモダリティにフォーカスを当てるスタートアップ企業やバイオテック企業、大学関係者などはぜひ注目してほしい。

取材・文:GH株式会社 島田

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